プラスチックマグネットとは

 磁石というと石のような硬さの焼結磁石を思い浮かべる方が多いと思いますが、当社はバインダーの樹脂と磁粉を練り込み、射出成形金型で作るプラスチックマグネット(ボンド磁石)と呼ばれる磁石を作っています。

 プラスチックマグネットは、樹脂成形と同水準の形状の自由度があり、位置決め用の切り掛けを設けたり、ギアそのものを磁石で作ったりといった焼結磁石では不可能な異形状を容易に作ることができます。

 また、着磁パターンについても、基本的なアキシャル配向(NS一方向の着磁)以外に、ラジアル配向や極異方配向等の多極で複雑な着磁も可能です。

 磁石に施されている着磁波形は肉眼では見えず、かつ事前のシミュレーションどおりにいかないケースが発生する難しい制御の部分になります。

 マグネットの開発で度々発生する理論と現実のギャップを埋めるためには、経験則に基づいたデザインの調整が必要不可欠であり、長年に渡り磁石生産に携わってきた弊社の実力が最大限に活かせる部分だと考えております。

「最適な磁力と最適な形状で最高の磁石を」をモットーにした当社の磁石を是非ご活用ください!

プラスチックマグネットの技術的要素

01 使用材料

プラスチックマグネットの使用材料は、磁粉とベースレジンの組み合わせで特性が決定されます。

磁粉の種類はフェライトと希土類系に分けられます。

フェライトは磁力は低いですが、安価で錆に非常に強いのが特徴です。

希土類系は磁粉が高価ですが、その分フェライトより大きく磁力が上がります。

ベースレジンについてはナイロン系・PPS系及びその他(エラストマー系)に分けられます。

ナイロン材は6ナイロンと12ナイロンがありますが、いずれも比較的安価で現在のベースレジンの主流を占めています。

PPS材は耐薬品性が高いのが特徴であり、エラストマー系は軟質材になりますので割れない点が特徴になります。

磁粉の種類コスト磁力(BHMax)摘要
フェライト安価1~2錆びにくい
希土類高価4~18高磁力
ベースの種類コスト摘要
ナイロン系安価6ナイロン/12ナイロン
PPSf系高価耐熱・耐薬品性
エラストマー系高価軟質のため割れない

02 磁石の配向パターン

磁石はNとSの2極から構成されますが、一つの磁石に何個の極数を付けるか、また、どの方向に磁力を飛ばすかによって磁石の性能は大きく変わり、磁石製品の最大のキーポイントになります。

磁力をどういう方向に飛ばすかという問題は、磁粉の配向といわれる技術的側面と関係があります。

この点、磁粉には指向性の無い等方性と指向性のある異方性という2種類の磁粉があります。等方性磁粉は指向性がありませんから、磁石を作った後に行う着磁と呼ばれる磁場をかけて磁石に磁力を付ける工程で極数や磁力の方向性を決めることができます。これに対して指向性のある異方性磁粉は磁石の形を作る段階で磁粉の向きを決めておく必要があります。これが配向と呼ばれる技術です。

配向は、アキシャル配向、ラジアル配向及び極異方配向の3つに分けられます。

アキシャル配向は1方向に磁粉の向きを揃える配向で、一番ポピュラーな配向になります。

ラジアル配向は、文字どおり磁粉を放射線状に配向させるもので、リング状のマグネットに4極以上の極数を付けるときに使用します。

極異方配向は予め決めた極数・着磁パターンに沿って磁粉の向きを揃える配向になります。

プラスチックマグネットは上記のラジアル配向・極異方配向のコントロールがしやすいという点が大きなメリットの一つになります。

アキシャル配向

特定の1方向に配向させる。

基本的にNS極の2極着磁になる。

ラジアル配向

放射線状に配向させる。

極数は着磁ヨークで決められるので任意の極数を付けられる。

極異方配向

極数に応じて磁力線を引っ張る。

滑らかなカーブを描く磁力線になる。

03 金型と着磁ヨーク

プラスチックマグネットの生産は金型と原則として着磁ヨークを使用します。

どちらも磁石の性能と量産コストを左右する大事な要素になります。

磁石の寸法・配向パターンにより起工する金型・着磁ヨークの仕様が決められますが、金型のゲート方式・取り個数・磁場の方法等をどうするかについては、経験値がものをいう生産技術的な色合いが濃い部分であり、着磁ヨークの仕様も同様のことが言えます。

また、金型成形における成形条件についても、磁力の制御という樹脂成形にはない独特の要素が入り、一般的な成形理論だけでは制御できない部分が多くなり、経験値が必要になります。

私たちプラネックスは、長年に渡る磁石生産の過程でありとあらゆる材料・着磁パターンの製品を製造してきておおり、ユーザー様のご希望を叶える最適で最高の磁石のご提案が可能です。

プラスチックマグネットを検討されている場合は是非私たちにご相談ください!

金型

金型は磁路を通すために非磁性鋼材と磁性鋼材を組み合わせて構成されており、その他細かいノウハウが沢山盛り込まれております。

着磁ヨーク

着磁ヨークは磁力を上げるためのコイルの構成だけでなく、着磁作業の効率性を考えた工夫が必要です。